梅雨真っ只中の日曜、例に漏れず生憎の雨、僕らは果敢にも家を出た。そこには確固たる理由がもちろんあった。木製のまな板が欲しかった。となれば、行き先は一つしかない。そう、合羽橋の商店街だ。
食器やキッチン用品を取り揃えるお店が数多く連なる、知らない人などいないであろう場所だ。この商店街のキャラクターは河童。でも、河童橋ではなく合羽橋である。雨合羽のカッパだ。ご注意あれ。
僕らが住む武蔵小杉からこの合羽橋商店街に行くには東横線で中目黒まで行き、そこから日比谷線で入谷駅に行けばいい。入谷からは徒歩10もかからない。
その日、入谷に着いた僕らは「からくさ」という名前の天ぷら屋さんに入った。妻も僕も頼んだのは天丼。僕はもちろん海老を抜いてもらった。決して濃すぎない天丼のツユが絶妙で、出来たてサクサクの天ぷらと最高のハーモニーを奏でていた。

天ぷら屋さんを出てさっそく商店街へ向かった。この日はちょうど七夕祭りが催されていて人で一段とごった返していた。


出店では、もんじゃ焼きコロッケというのが売られていた。妻と僕は足を止める。素通りは出来なかった。想像以上に美味しかった。もんじゃ焼きよりも美味しかった。


お目当のまな板を購入したのは「飯田屋」というお店。知る人ぞ知る老舗だ。目にしたことの無いようなお洒落なキッチングッズが結構あってただ眺めているだけで面白かった。

